よく「なんでそんな大変なところでわざわざ農業するの?」と聞かれます。
「規格整備した田んぼでスタートすればもっと簡単だし、お金もかからないし、いいところあるよ!」と
やりやすいいい場所をいろんな方が紹介してくださいます。
とってもありがたいことです。
頑固だなあ・・と自分でも思いますが、何度言われてもそういうところでやりたいという思いにはなりません。
もともと農業をやってみたい!と思ったきっかけがフードコーディネーターの学校に行っていた時の自然栽培の授業でした。
たった2日の、4時間ぐらいだけの授業でしたが、そのお話にすごく感銘を受けました。
その授業をしてくださったのがナチュラルハーモニーの代表の河名秀郎先生。
自然栽培のお野菜は腐らない、というお話でした。
自然のものは枯れて、お酒になって、お酢になって、最後は水になる、というお話でした。
肥料を入れて無理に栄養をあげることで植物の力が弱くなる。
自分でどうにかして栄養をその場所から取ろう!という思いがあれば根をどんどん深くはって強くなる。
虫は弱いところにたかってくるので、強くなった野菜には虫もよってこない。
だから農薬も必要なくなる。
すごく理にかなった納得のいくお話でした!
そしてすごく不思議なことに雑草も生えなくなるというのです!
なんでだろう?といまだに不思議ですが、雑草はその大地に足らないものを補ってくれているので、
足らないものがなくなって中和されたとってもいい土になる、ということなんですよね。
本当に自然は不思議で、自然の力より強い肥料や農薬は絶対ないと思うんです。
現にどんな強い農薬が出たとしても今まではいなかったそれに対抗した虫が発生するようになったりします。
自然栽培をするのに一番大変なことは肥料を抜く、ということです。
肥料や農薬は土に何年分も残っています。
それを抜くには最低でも5年はかかるといわれています。
私が開墾している場所はもう何年も使われていないところです。
当然とっくに肥料成分は抜けているでしょう。
それに周りに他の農家がいないところなので周りの除草剤や農薬を気にすることもありません。
それにほっといたら将来的に残土の置き場やごみ捨て場になってしまったりします。
やるしかないでしょ!最高の場所でしょ!!
逆になんでこんないい場所をみんなほっておくの?もったいない!!!
と声を大にして言いたいのです。
出会う土地はどこもいい気が流れていてとってもいい土地です。
その場にいるだけで幸せな気分になります。
肥料や農薬を否定する気はないですし、何が正解なのかはわかりません。
それぞれの農家さんが信じている道がそれぞれの農家さんの正解なんだと思います。
私にとっての正解が無肥料無農薬の世界だって、それが私の使命で天職だと本気で思っています。
自然の中には害虫や悪い菌などはいなくて、みんなが何かの役に立っていて、広い視野でみるとそれが結果的に人間の、地球のためになっている。
全ての自然にありがとうって思えて、だから自然の中にいると心が優しい気持ちになって落ち着きます。