
私たちの原点と想い
里山れんこんは、千葉県佐倉市の谷津田で、農薬・肥料・堆肥・除草剤を使わない自然栽培でれんこんを育てています。
目指したかったのは、その土地にいる微生物や植物、虫や生きものたちを大切にしながら、肥料も農薬も使わずに作物を育てる農業でした。
けれど、その一方で、周囲とのトラブルが起きないかという不安もありました。
最初は耕すこともしない自然農を、地元の自然農塾で学びました。
ただ、実際には周囲との関係が難しくなることもあると知り、隣で他の方が農業をされている環境では難しいのではないか、と感じるようになりました。
そこで目を向けたのが、耕作放棄地でした。
長いあいだ肥料が使われておらず、周囲に他の農家さんがいない場所なら、自然の力を活かした農業を始めやすいのではないかと思ったのです。
さらに、地元の佐倉には、湧き水が豊富で、機械が入れず使われなくなった谷津田がたくさんあることも知りました。そうして、誰も使っていない谷津田を探して歩き、たどり着いたのが今の里山れんこんの場所です。
そこでユンボのプロの大野さんと出会い、大野さんは今も里山れんこんの開墾や整備を担ってくれています。
この田んぼは、単にれんこんを育てる場所ではありません。
水が流れ、微生物が働き、生きものが暮らし、人が関わることで成り立つ、小さな里山の生態系そのものです。
自然の循環の中で育ったれんこんを、できるだけそのままの形で届けたい。
そんな想いを大切にしながら、里山れんこんは、人と自然が共に生きる農業を続けています。

谷津田の自然
里山れんこんの田んぼがあるのは、山に囲まれた谷津田です。
谷津田とは、谷あいの低い場所に広がる田んぼのことで、昔から人と自然が寄り添いながら営まれてきた場所です。
この場所には、山からしみ出した湧き水が流れ込みます。
その水に支えられながら、田んぼにはさまざまな命が息づいています。
春には草花が芽吹き、山桜が咲き、カエルが卵を産みます。
夏には蛍が舞い、秋にはトンボが飛び交い、冬には澄んだ空気の中に静かな里山の風景が広がります。
カワセミやシラサギ、セキレイなどの鳥たち。
メダカやドジョウ、蛇、さまざまな種類のカエルやトンボ、蝶々。
タヌキやウサギ、イノシシ、キツネの姿を見かけることもあります。
こうした生きものたちは、ただそこにいるのではなく、この田んぼの環境そのものを物語ってくれる存在でもあります。
多様な命が暮らせるということは、水や土、草や森のつながりが、今もこの場所に残っているということです。
里山れんこんは、そんな谷津田の自然の中で育っています。
れんこんだけを見ているのではなく、水の流れや土の変化、季節の移ろい、生きものたちの気配も感じながら、この場所全体と向き合っ
ています。

研究 ・ 分析結果
こうした谷津田の環境は、感覚的な豊かさだけではなく、実際の調査からも、その価値が見えてきています。
里山れんこんの田んぼでは、国立環境研究所の研究者の方々によって、約 2年にわたる調査が行われました。
その結果、この場所に貴重な自然環境が残っていることがわかってきました。
たとえば、絶滅危惧Ⅱ類に指定されている魚の DNAが確認されるなど、多様な生きものが生きられる環境であることが示されています。
また、山から流れ込む湧き水に含まれる窒素分が、蓮田を通ることで大きく減少することも確認されました。
さらに、里山れんこんのれんこん自体についても調査が行われています。
その結果、硝酸態窒素はほとんど検出されませんでした。
平均値は 0.53 mg NO3/kg です。
加えて、オーガニック・エコフェスタ「身体においしい農産物コンテスト」での成分分析では、硝酸イオンは検出下限値以下という結果で、一般的なれんこんの平均値である 18.3mg/kg と比べても、非常に低い値でした。
また、糖度は平均より高く、食味評価では次のような特徴が挙げられています。
「シャキシャキとした歯切れ」
「モチモチとした食感」
「濃厚な甘みと旨味」
私たちは、数字や分析結果だけを追いかけて農業をしているわけではありません。
けれど、日々この場所で感じている自然の豊かさや、れんこんのおいしさが、こうして調査や分析という形でも見えてきたことを、とてもうれしく思っています。
Matsuzaki SS, Kohzu A, Watanabe M, Kondo IN, Tatsuta A (2023)
Use of legacy nitrogen as a resource: unfertilized lotus fields contribute to water quality improvement and biodiversityconservation.
Nature-based Solutions
私たちが大切にしていること

虫が来た、病気になった。
そんなときも、すぐに悪いことだとは決めつけず、なぜそうなっているのかをよく観察します。
自然がバランスを取ろうとしている流れを大切にしながら、広い視野で物事を見ることを心がけています。

肥料をあげれば早く大きくなり、農薬を使えば見た目のきれいなれんこんができるかもしれません。
それでも私たちは、自分の力で土から必要な栄養を受け取り、ゆっくり育つれんこんの力を大切にしています。
見た目だけではなく、中にある本来の力を信じて育てています。

自然栽培は、慣行栽培に比べて収穫量が少ないこともあります。
それでも、そのぶん凝縮された力を持つれんこんを、無駄なく大切に使い切りたいと考えています。
加工や工夫を重ねながら、100年先まで続く里山れんこんの形をつくっていきます。

れんこん部は、
自然を愛し、寒さに強く、力いっぱい働き
みんなでお昼を食べる温かいチームです。
入部条件
寒さに負けず、自然の中で楽しめること。
すぐ不平を言わずに、体力に自信があるひと。
よくある質問
Q
なぜ、れんこんを育てているのですか?
A
もともとは、自然農で在来種のお米を育てたいという想いがありました。
そんな中で出会ったこの土地は、水がとても豊かで、お米よりもれんこん栽培に向いていると感じました。
実際にこの土地に立ち、水の流れや環境を見ていく中で、ここではれんこんを育てるのが自然だと思うようになり、里山れんこんが始まりました。
Q
なぜ、自然栽培を始めたのですか?
A
以前、弁当屋をしていた頃に通っていたフードビジネスコーディネータースクールで、自然栽培の考え方に出会ったことがきっかけです。
そこで、自然栽培の野菜を扱う「ナチュラルハーモニー」の代表・河名秀郎さんの授業を受け、無肥料・無農薬で育つ野菜の力や、自然が本来持っている働きについてのお話に強く衝撃を受けました。
肥料に頼らず、野菜が自ら根を伸ばし、その土地の力を生かして育つという考え方に深く惹かれ、自分でも挑戦したいと思うようになりました。
また、もともとサーフィンが大好きで、海に入るために仕事を選んできたところがあります。
だからこそ今度は、海のためになる仕事、自然を守る側の仕事がしたいと思ったことも、自然栽培を始めた大きなきっかけのひとつです。
Q
れんこん部とは何ですか?
A
れんこん部は、里山れんこんに関わる仲間たちのような存在です。
れんこん掘りや洗い、選別、袋詰め、加工、イベントのお手伝いなど、それぞれができる形で関わりながら、里山の営みを一緒に支えています。
働くときは120%一生懸命、終わったらみんなでおいしいごはんを楽しむ。
そんなメリハリも、れんこん部の大切な魅力です。
自然の中で、農業のリアルを感じながら、朝活や半農半Xのような暮らし方にもふれられる場になっています。
Q
れんこん部には、誰でも参加できますか?
A
れんこん部は、どなたでも自由に参加できる形ではなく、面接のうえでお願いしています。
寒さの中での作業も多いため、体を動かすことが好きで、前向きに頑張っていただける方に来ていただいています。
働くときは120%一生懸命出し切る。
常に向上心を持って、楽しく仕事をする。
そして終わったあとは、自然の中で最高においしいごはんを思いっきり楽しむ。
里山れんこんは、そんなメリハリのある仕事環境を目指しています。
時給での採用は1,100円です。
なお、報酬のない形でのお手伝いは歓迎しています。
里山れんこんに関わってみたい方は、まずはお気軽にご相談ください。











