自然栽培を始めた原点|里山れんこん代表 竜田藍について
2026/05/06
自然栽培

こんにちは。里山れんこんの竜田藍です。
このブログでは、
私が自然栽培を始めた原点や、
今の里山れんこんにたどり着くまでのことを、少し振り返りながら書いています。
なぜ自然栽培に惹かれたのか。
どうしてこの土地に出会い、れんこん農家になったのか。
そして、これまでの経験がどう今につながっているのか。
少し長くなりますが、最後まで読んでいただけたらうれしいです。
自然栽培を始めたいと思った原点
私が自然栽培を始めたいと思った大きなきっかけは、以前お弁当屋をしていた頃に通っていた、フードビジネスコーディネーターの学校でした。そこで、自然栽培のお野菜を扱っている会社「ナチュラルハーモニー」の代表、河名秀郎さんが授業をしてくださいました。
そのときに聞いた、
「無肥料・無農薬の野菜は腐りにくい」
「地球は常に中和するように働く」
「肥料を与えないことで、野菜は本来の力を発揮する。自分で栄養を取りにいくために、根を深くまで伸ばし、強い体を作る」
という話が、本当に衝撃的でした。
それまでの私にとっては、どれも常識をひっくり返されるような話でした。
「肥料を入れないと育たない」「農薬を使わないと守れない」と思っていたところに、まったく違う世界があることを知って、
「えっ、そんなことがあるの!?」と本当に驚きました。
そして、ただ驚いただけではなく、
「自分でもやってみたい!」と強く思ったのです。
さらに、私にはもうひとつ大きな理由があります。
私はもともとサーフィンが大好きで、海に入るために仕事を選んできたようなところがあります。
海の近くに住みたい。
海に行ける働き方がしたい。
ずっとそうやって生きてきました。
でも、あるとき思ったんです。
「今度は、海のためになる仕事をしよう!」と。
海が好きだからこそ、海を汚さない仕事、自然に負担をかけすぎない仕事、自然を守る側の仕事がしたい。
そう思ったことも、自然栽培を選んだ大きなきっかけです。
だから私にとって自然栽培は、ただの農法ではなく、生き方そのものに近い選択だったのだと思います。
今の土地に出会うまで
自然栽培で野菜を作ってみたいと思った私は、富里の「里山と田んぼの学校」、そして四街道の自然農塾に通いました。そこで1年間学んで、次は自分でやってみたいと思うようになりました。
もっと近所で、もっと広いところで、自分の田畑を借りたい。
そう思って土地を探し始めました。
そんなときに母から聞いたのが、佐倉の湧き水の話でした。
水が豊富な場所なら、自然農のお米にも向いている。
そう思って、私は湧き水MAPを見ながら細い道を車で走り回りました。
そしてたどり着いたのが、小篠塚の湧き水地帯です。
「ここだ!」と思って、かなり狭い道を進み、山の上まで行ったところで一人のおじさんに出会いました。
私は思い切って、
「この下の田んぼを借りたいんだけど……」
と声をかけました。
するとその方が、
「それなら今、地主さんが来るから待ってなよ!」
と言って、山小屋のような場所で待たせてくれたんです。
しばらくすると別のおじさんが来て、
「その場所なら親戚の土地だから、話をしてみてあげる」
と言ってくださいました。
電話番号をお伝えして、その日は帰宅。
でも2、3日後に地主さんから電話があり、「貸せません」と断られてしまいました。
かなりショックでした。
「ここだ!」と思った場所だったので、本当に残念でした。
でも、話はそこで終わりませんでした。
山小屋で会ったおじさんが後日、
「その近くの田んぼなら、自分の土地で使っていないところがあるから見てみる?」
と連絡をくださったのです。
ありがとうございます!!! という気持ちで、すぐに見に行きました。
するとそこは、自分では絶対に見つけられないような場所。
細い道をずっと奥まで進んだ突き当たり、谷津田の一番奥でした。
そこまで行く道も荒れていて、誰も使っていない。
でも私には、もう最高の場所に見えました。
「ここ、借りてもいいんですか!!?」
と聞くと、
「いいよ」と。
本当に、ありがたかったです。
今思い返しても、あの出会いがなかったら、今の里山れんこんはありません。
なぜれんこん農家になったのか
もともとは、自然農で在来種のお米を作りたいと思っていました。借りたその年、まずはその場所でお米を作ってみました。
もちろん、無肥料・無農薬。種を田んぼに蒔くところから始めました。
でも実際には、思うようにはいきませんでした。
お米は倒れてしまいました。
長年使われていなかった土地なので、腐葉土がたまりすぎていたのかもしれない。
水が多すぎたのかもしれない。
理由は、ひとつではなかったと思います。
ただ、その経験があったからこそ、土地の声がよく聞こえた気がします。
さらに同じエリアの別の場所を見ると、そこはもっと水が多くて、足が膝ぐらいまで埋まってしまうほど。
歩くのも大変なくらいの土地でした。
そのとき、私はすぐに思いました。
「この場所は蓮根しかない! ここで蓮根を育ててみたい!」と。
それが、私がれんこん農家になったきっかけです。
最初から「絶対にれんこんをやりたい」と思っていたわけではありません。
自然農でお米をやりたいと思って出会った土地が、れんこんにぴったりだった。
その土地が教えてくれた、という感じです。
私のこれまでと、今につながる流れ
高校2年の終わり、ニュージーランドで波乗りを体験したことがきっかけで、猛烈にサーフィンをやりたくなりました。そして、サーフィン部が日本一の大学へ進学。
大学ではボディボードにはまり、大学生活はほぼボディボード三昧でした。
休みのたびに一人旅でオーストラリアやインドネシアへサーフトリップ。
全日本学生サーフィン選手権で優勝、インドネシアカップで2位、片貝カップでも優勝。
VooDooサーフショップのライダーをしていたこともあります。
大学卒業後は、
「海の近くに住もう!」
と決意しました。
寿司屋で副店長を経験したあと、24歳で移動販売の弁当屋「HOT DELI」を開業。
最初は海の近くや大学の前で販売していましたが、うまくいきませんでした。
でも、幕張のオフィス街で販売するようになると大成功。
行列のできる弁当屋になって、ラジオ、雑誌、新聞にも取り上げられました。
かなり調子に乗っていました。笑
でも、路上販売だったため、警察に捕まったりして、最終的には廃業。
その後は九十九里の仕出し弁当屋さんで営業として働き、営業先で幕張に売店を持つ会社と出会いました。
そこで「私のお弁当を売ってください!」とお願いして、売店向け配達弁当として「LUNCH DELI」に屋号を変えて再スタートしました。
でも今度は、売店だけに頼る形では厳しい。
じゃあ、自社で注文を取って配達する仕組みを作ろう。
そう考えて思いついたのが、お弁当注文システム付きホームページでした。
当時は「お弁当注文システム」という言葉自体、今ほど一般的ではありませんでした。
これは売れる! と思ってシステム会社に何社も電話をかけ、共同開発に挑戦しました。
……が、これが大赤字。
システムはバグだらけ。
ようやく使えるようになったと思ったころには、その会社の社長がいなくなってしまい、パスワードも不明。
また一から作り直し。
本当にいろいろありました。
でもその経験があったからこそ、私はwebの世界にはまっていきました。
HTML、CSS、SEO、webデザイン、紙デザイン、WordPress……。
学べば学ぶほど面白くて、最終的には弁当屋を閉じ、ホームページ制作の仕事もするようになりました。
今こうして、里山れんこんのホームページを自分の感覚で考えられるのも、その頃の経験があるからです。
人生って、ちゃんと全部つながっているんだなと思います。
河名秀郎さんの言葉が人生を変えた
フードビジネスコーディネーターの学校では、本当にたくさんの出会いがありました。牛乳料理で有名な小山浩子先生に出会い、料理本のアシスタントをさせていただいたこともあります。
今でもいろいろな面で、とてもお世話になっています。
でも、その中でもやっぱり私の人生を大きく変えたのは、ナチュラルハーモニーの河名秀郎先生の
「無肥料・無農薬の自然栽培の野菜は腐りにくい」
という話でした。
あのお話を聞かなかったら、今の私はいません。
自然栽培のれんこん農家「里山れんこん」をやっている今の自分は、あの衝撃から始まったと言ってもいいくらいです。
これから伝えていきたいこと
私は、「奇跡のリンゴ」ならぬ、そんなれんこんを育てられる人になれたらと思っています。れんこんは昔から、のどをいたわりたいときや、季節の変わり目などにも親しまれてきた食材です。
里山れんこんを通して、れんこんのおいしさだけでなく、自然の中で育ったものの力や、日々の食べ方の大切さも伝えていけたらと思っています。
私は以前、脊髄の大手術をして、その後便秘に悩んでいた時期がありました。
でも、れんこん農家になって収穫が始まる9月から、本当に毎日のようにれんこんを食べるようになって、11月頃には自分でも驚くほど体の調子の変化を感じました。
食べものってすごい。
続けるってすごい。
そんなことを、自分の体を通して実感しました。
だからこそ、里山れんこんを食べて
「なんだか調子がいい」
「毎日の食事が楽しみになった」
そんなふうに感じてくださる方が増えたらうれしいです。
最後に
ずらずらと、自分の人生を振り返って書いてしまいました。
でも、そんな私です。
私はいつも、目標を持って、それに向かって突っ走るタイプです。
そして、突っ走っているときが一番楽しいです。
海が好きで、自然が好きで、やると決めたらとことんやる。
そんな流れの先に、今の里山れんこんがあります。
最後まで読んでくださって、本当にありがとうございます。
これからも、自然栽培のれんこんづくりを通して、この土地のこと、食べもののこと、暮らしのことを発信していけたらと思っています。
今後とも、里山れんこんをどうぞよろしくお願いいたします。











